2020S 質問タイム+ゲストとのQ&A 1
2020-05-23(土)
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前半:質問タイム
後半:11:10頃から原悦子先生をゲストに迎えての質問トーク
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前半の質問
民法で論じられる消費者的事業者の問題は独禁法からはどう見えるのでしょうか。消費者契約法上、事業と関係ない取引でも法人だと類型的に事業者扱い(例えば中小企業がオフィス用品をそろえる、とか)の問題も念頭に置いています。
独禁法の先生は、法律事務所から意見書の作成を求められることはありますか?最近の実務家(弁護士、公取委)の方々との交流の機会の例があればお話しいただきたいです。
前回の授業範囲に出てきた審判審決が50ー60ページのものが多く、読むのに苦労しました。以前授業中に公取委の審判審決のつまみ読みの仕方があるとちらっとおっしゃっていたのですが、今回ぜひ教えていただきたいです。
ネットなどで広告料で収入を得ているサイトがあるのに対して、 Adblockのような広告を排除するサービスを無料提供することは、他者排除のようなものにはならないのでしょうか。
一般人の理解が深まれば、課徴金などの制裁と同様、時にはそれ以上に、企業の社会的イメージの毀損が企業の独占禁止法違反に対する抑制として働くように思うのですが、その点についてどうお考えでしょうか。
以前研究案内講演会で、先生が留学先を決めるにあたって、留学先は古典的な場所を選べと言われてアメリカにいらした、と伺った記憶があり、当時の両法域のプレゼンスをある意味象徴的に示すように思われます。翻って現在では、両法域の力関係と申しますか、はどうなっているのでしょうか。授業を聞いていると逆転したのかな、という気も致しますが。
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原先生への質問
独禁法を専門とするようになったきっかけ
独禁法のどのような点に惹かれて専門化されたのか伺いたいです。また、独禁法を専門化するのに向いている特性等がありましたらその点も教えていただきたいです。
独禁法弁護士の仕事の内容
独禁法弁護士がクライアントから求められることは、どういうお仕事なのでしょうか。僕は公正取引委員会など当局からの規制を受けないようにビジネスを進めていくためのアドバイスを求められたりするのかなというイメージを抱いています。
3つの種類
カルテルなど、被疑事件・社内調査で判明したもの
企業結合案件(届出→クリアランス)
予防法務的な仕事・コンプライアンス研修
独禁法弁護士として扱う案件としては、企業結合の案件とその他の案件(カルテル等)では、件数や処理に使う時間の割合としてはどちらが大きいでしょうか。また、その割合は各独禁法弁護士によって異なってくるものなのでしょうか。
近時の独禁法関連事件(公取委の判断、裁判例等)で印象的なものはありますか
それとは別に御自身が担当された独禁法関連事件で印象的なものはありますか
企業結合案件
企業結合の案件において、大きくストラクチャリングとクリアランスの取得の2つの局面で、独禁法弁護士が関わると伺ったことがあるのですが、それぞれで具体的にはどのような作業がなされるのでしょうか。また、パートナーの先生とアソシエイトの先生でどのように役割分担なさっているのかも伺いたいです。
カルテル事件
日本の課徴金制度は、EUなどと比較すると金額がとても低く、減免制度もかなり甘いという印象があるのですが、企業の立場からするとやはり日本のような緩い制度の方が望ましいのでしょうか。日本の制度とEUの制度の長所と短所を企業側の視点から教えていただきたいと思います。
依頼者・業界
どこまで、どのように業界の前提知識を調べるのか
(事案の学習をしていて、業界の感覚的なものがわからずいまいち事案を理解しきれていないのではないかと感じているため)
自分の依頼者を何パーセントくらい信用して仕事をするのか、またどのようなことがあれば依頼者の主張する事実を疑うか(談合の事例等)
これまでのまとめ
他の企業法務分野と比べて独禁法関係の仕事にはどのような特徴がありますか。(例えば、事案の調査に関して、当事者からの聞き込みや、依頼をしてきた会社の内部状況確認をどの程度行うのか等)
米国、欧州での在外経験がありますが、日本との違いや、それぞれの地域の競争法に対する考え方の特色のようなものはありますか
独禁法の実務家の感覚としては、現在の市場は、満足できる程度に自由な競争が担保されているのでしょうか。まだまだ課題はたくさんあるのでしょうか。あるとしたら、それはどのような点ですか。
研究者と弁護士とで、あるいはそれでなくてもよいのですが、考え方が違うナァとお感じになることは何かありますか。